【ブランドへの思い】後編:日常の小さな選択から、“自分の人生を生きる人”を増やしたい

2024.01.30 Philosophy
【ブランドへの思い】後編:日常の小さな選択から、“自分の人生を生きる人”を増やしたい

オリジナルのクラフトハーブティーを手がける「daytune.」代表の松見がどのような思いでブランドを始め、運営しているのか、改めて振り返ってもらいます。


前回の【中編】では、現在のクラフトハーブティー「daytune.tea」が完成するまでの、様々な試行錯誤や商品のこだわりについて話を聞いてみました。


最終回となる【後編】では、少しずつできることが増えてきたdaytune.の「今」と、これからブランドとしてやっていきたいことについて触れていきます。


▼【前編】【中編】の記事はこちら

前編:会社員時代の違和感から気付いた「自分自身に目を向けること」の大切さ

 

中編:挫折を経て、向き合い続けた先に見えてきた“在りたい姿”

 

商品が関わるすべての過程が“チューニング”のきっかけに

福祉作業所に製造をお願いできるようになったことで、ようやくdaytune.teaとして安定してハーブティーを生産できるように。

ハーブティーの製造過程自体も、福祉作業所の方たちにとって少しでもチューニングになったら嬉しい、と言います。

 

松見:
「作業所での作業も、場合によってはなかなか自然を感じたり五感を使うような機会ってあんまりないんじゃないかなと思っていて。

そんななかでdaytune.teaを製造することによって茶葉の色や形、香りから自然を感じてもらったり、作業者さんにとっても少しでも何か良い作用があったら良いな、という気持ちもあります。茶葉に触れることでの効用もこの先検証していけたらと思っています」

 

 



ハーブティーを購入してくれたお客さまにとってはもちろん、製造の段階や飲み終わったあとのすべての過程において、daytune.が考える“チューニング”=「心身の状態を自覚し、在りたい方に向かって進めるよう、調える(ととのえる)こと」を体現しているようなブランドであれたら。

 

松見:
「ハーブティーを入れるティーバッグを土に還せる素材で作っていたり、使用するハーブをすべて有機・農薬不使用のものに厳選しているのも、究極を言えばdaytune.teaというプロダクト自体が社会の中で持続可能なかたちで存在し続けるための“調整=チューニング”だと考えています」

 

“チームとして”のdaytune. へ。

 

ようやく安定して商品をお届けできるようになり、少しずつ思いに共感してくれるdaytune.のメンバーも増えていきました。


松見:
「SNSで良いなと思った人に声をかけさせてもらったり、逆にdaytune.の発信を見て共感してくれた方から“一緒にやりたいです”とお声かけいただくことも徐々に増えていきました。

今は、SNS発信やマーケティング、製造管理などそれぞれを得意な人に役割分担できるようになったことで、私自身はブランド全体として今やるべきことを集中して考えられるようになったのはすごくありがたいですね。

少しずつブランドのファンになってくださる方たちも増えてきて、個人としての活動ではなく、daytune.というブランドとして認知してもらえるようになってきたことも、ものすごく嬉しいし心強いです」

 

 

 

商品を知ってもらうための新たな挑戦

 

製造が安定したこと、チームで動けるようになってきたことによって、新宿マルイでのポップアップ、「my bestday marche」「ててて商談会」「CHOOSEBASE SHIBUYA」への出店など、2023年は挑戦できる機会も増えていきました。

 

 

 

松見:
「出店期間が長くなったり売場面積が大きくなったりするにつれて不安やプレッシャーも大きくなりましたが、リアルの場で、これまで接点のなかったお客さまがdaytune.と出会ってくださることで嬉しい反応をいただけることが分かり、出店の度にdaytune.の世界が広がっていくのを実感できました。

『ててて商談会』では、初めてバイヤーさんや企業の方々にdaytune.をご紹介する機会をいただけて、何もかもが手探りの中緊張していましたが、様々な業界の方に興味を持っていただけて、daytune.の今後の広がりの可能性を感じました。


チームのメンバーがしっかりと自分の言葉で説明してくれたり売り場を良くしようとしてくれたり、お客さまとの会話の中で笑顔になっているのを見れたのも、とても嬉しくて感慨深いものがありましたね」

 

 

 

さらには、贈り物用途のお客さまからの声を元に新たにギフトボックス入りの商品をつくったり、年末年始の企画として、じぶんジカンさんの「年末ノート」とのコラボセットを販売したり…など、新たな企画や提案にも踏み出せた一年でした。

松見:
「新商品や企画に取り組むということは、すでにdaytune.というブランドがれっきと存在している前提で、さらにアクションを重ねるということ。

自分としては確信が持ちきれない心もとなさもありましたが、なんとか形にすることができて、思っていた以上の反応をいただくことができました。

これまでゆっくりとでも着実に積み上げてきたということと、それをチームや周りの方と共有することができていて、それぞれが形にするために考えて動くことができる、ということが何よりも強く実感されて、ああもうdaytune.は自分がひとりで動かしているものではないのだ、と思いました」

チューニング習慣で“自分の人生を生きる人”を増やしたい

 

少しずつできることが増えてきたdaytune.というブランドを通して、これからやっていきたいことについて聞いてみました。

松見:
「1つ目は、“チューニング”という考え方をもっと世の中に広めることです。

今はまだ、会社の中でも休むこと=サボっていると思われたり根性がないと言われてしまうことも多い世の中だと思います。

だけど、人は調子が良い時もあれば悪い時もある。ゆらぐのが自然なことだから、その上でどうしていくか?と考えられた方がスマートだよね、という意識がもっと広まると良いなと思っています」

 

松見:
「2つ目は、“自分の人生を生きる人”を増やしたい、ということです。

社会的に見るとこうだからとか、人からどう見られるかを気にして生きていると、結局それは他者の人生を生きることになってしまうんです。
自分で考えて選ぶ、自分のための人生ではなくなっちゃう。

そう考えると、本当の意味で自分の人生を生きているって言える人って、どれだけいるんだろう、と。

だから、daytune.としては『自分の人生を生きている』と自信を持って言える人や、それに向かって歩き出せるようになっていく人を増やしたい、という目標があります」

そのために、ハーブティー以外のプロダクト・サービスづくりにも取り組んでいく予定です。

 

 

松見:
「まずは、今この瞬間に自分がどんな状態なのか、本当は何がしたいのか、に目を向けるサポートができるようなサービスをやっていきたいです。

そして、ゆくゆくは数年単位でどんなキャリアや人生を歩みたいか、を考えるサポートとなるようなサービスも提供していけたらと考えています。

他にも、ハーブティー以外で日常で取り入れられるような、五感に働きかけるプロダクトづくりや、コンセプトに共感してくださる企業やブランドとのコラボも積極的に行っていきたいですね」

自分の今の状態を知ると言っても、慣れていないと意外と難しいもの。
最後に、今の自分の状態に気づいて向き合うためのヒントを教えてもらいました。

 

 

松見:
「まずは、日常の中の小さな選択から、自分の状態を点検する練習をしてみると良いと思います。
生きていると毎日が細かな選択の連続ですが、それは言い換えると「あなたはどうするのか」という問いかけでもあると思うんです。

 

なので、その全てとはいかなくても、いくつかは面倒くさがらずに自分に問いかけてみるようにすることで、自分はこんな状態で、こうなりたい、だからこうするんだ、というチューニングのプロセスを実践していくことができるようになると思います。

ハーブティーのブレンドを選ぶときにもぜひそうしてみてもらいたいですし、今日身につける下着や衣服を選ぶときでも、何でも良いと思います。


自分の状態や、どうしたいかに目を向けて、こうしたいと思ったことを選んで実行に移してみる。小さなことで良いんです。

そうすると、自分で自分の希望を叶えてあげられたということが自信に繋がって、自分の本音にも気づきやすくなっていくと思います」

 


会社員時代に感じた違和感から、クラフトハーブティーを通して「自分自身と向き合う習慣づくり」を提案してきた松見。
何度も失敗を経験しながらも、諦めずに自分が社会に必要だと思うプロダクトづくりと向き合ってきました。

共にブランドを広める仲間も増え、“自分の人生を生きる人”を増やすために、まだまだdaytune. の挑戦は始まったばかりです。

 

Text & Photo by てい えみ

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